皮にあんを挟んで丁寧仕上げる「猪最中」=伊豆市月ケ瀬

 ■食感楽しむ「合わせ」も 「もっと知って、食べて」

 かわいいイノシシの形をした皮で、風味の深いあんを挟んだ和菓子−。伊豆市月ケ瀬に本社のある小戸橋製菓(内田隼人社長)が製造、販売する「猪最中(いのししもなか)」は、60年以上にわたり、伊豆の銘菓として市民や観光客の人気を集めている。

 同社は、内田菓子店として1912(大正元)年に創業した老舗。「湯ケ島ならではの土産を作ってほしい」と取引先の依頼を受け、試行錯誤を繰り返して昭和25年ごろに完成させた。

 北海道十勝産の小豆を、じか火で5時間丁寧に練ったあんが特徴。創業者が横浜の修業先で学んだ製法を今も引き継ぐ。通常の工程よりも時間を掛けることで、小豆の中にまで味が染みこむ。同社は「材料の多少の変化はあるが、製法は60年前と変わらない」と胸を張る。1個130円で販売している。

 今夏から新商品「合わせ猪最中」の販売を開始。あんを真空状態にして皮と分け、食べるときに自分であんを挟む。風味が保たれ、皮のさくさくした食感も楽しむことができる。賞味期限は通常商品の7日間に対し、3カ月間。鈴木高明本部長(35)は「伊豆の名物をもっと知ってもらい、食べてほしい。新商品の食感も試してもらいたい」と話した。

 【写説】皮にあんを挟んで丁寧仕上げる「猪最中」=伊豆市月ケ瀬