塩谷会長(右)からワサビ栽培などの説明を受けるオイエケさん=伊豆市の筏場のわさび田

 ■「畳石式」など方法説明 「環境守りながら取り組み」

 国連食糧農業機関(FAO)の「世界農業遺産」認定を申請している「静岡水わさびの伝統栽培」の現地調査が29、30の両日、県内で行われた。初日の静岡市内に続き、30日は調査員が川勝平太知事と面談した後、伊豆市を訪れた。筏場のわさび田、湯ケ島の天城わさびの里を調査した。認定の可否は年内に決まる見通しだという。

 世界農業遺産科学助言グループのアフリカ地域代表ヘリダ・オイエケさん(ケニア国立博物館)が現地調査員を務めた。筏場のわさび田では小雪が舞う中、県山葵(わさび)組合連合会長の塩谷広次さん(伊豆市)らが「畳石式」と呼ばれる伝統的な栽培方法などを説明した。若手生産者、女性生産者との意見交換も行った。

 オイエケさんは「水が枯れることはないか」「自然と共存するための取り組みは」「若い人は農業を嫌う傾向があるなか、なぜ携わっているか」「若手生産者は何人くらいいるか」「男性と女性の役割分担は」などと積極的に質問。審査後は「静岡市とは栽培方法が違うが、どちらも環境を守りながら取り組んでいることが分かった。手作業が多くて大変だが、若い人を入れて続けてほしい」と感想を語った。

 天城わさびの里では、技術の伝承や担い手の確保・育成、6次産業化などを調査した。

 世界認定に向けては、県と栽培市町、同連合会、JAなど20団体で構成する県わさび農業遺産推進協議会(会長・川勝知事)を一昨年9月に設立し、農林水産省へ申請した。昨年3月、同省が創設した国内版の「日本農業遺産」に認定されるとともに、世界認定に関わる承認を得て、10月23日にFAOへ申請書を提出した。

 認定の可否は、申請から1年以内にFAO本部があるイタリア・ローマで開かれる会議で決定する。

 【写説】塩谷会長(右)からワサビ栽培などの説明を受けるオイエケさん=伊豆市の筏場のわさび田