日本遺産認定された箱根旧街道=三島市の山中城跡付近

 ■三島、函南、小田原、箱根 地域連携の整備へ

 文化庁は24日、日本遺産に三島市、函南町、神奈川県小田原市、箱根町の4市町が区域の「箱根八里」を認定した。三島市・三嶋大社―小田原市・小田原城の約32キロ区間が対象。県内での認定は初めてで、地域連携の取り組みが評価された。関係4市町はブランド化による価値の高い観光資源として交流人口の拡大を期待する。

 日本遺産は保護を主目的とした世界遺産とは違い、総合的に整備、活用し国内外に発信することで地域活性化を図るのが狙い。地域の歴史的魅力や特色を通じて日本の伝統や文化を一つのストーリーとして紹介する。

 今回、76件の申請から箱根八里を含め13件を認定した。申請は三島市が主体となり4市町の官民団体で構成する箱根八里街道観光推進協議会(会長=豊岡武士・三島市長)が行った。認定により本年度から3カ年で総計約7千万円の補助金が受けられる。スタートした2015年から18年までの認定件数は67件という。

 箱根八里は東西の地域が連携して歩道や景観ポイントの整備に取り組み、歩き旅のブランド化が期待できる点や、地域の銀行や信用金庫の参画などが評価された。タイトルは「旅人たちの足跡残る悠久の石畳道―箱根八里で辿る遥かな江戸の旅路」。江戸時代の旅人視点で往事を追体験するストーリーとして申請した。県内の主な構成文化財には国史跡の箱根旧街道(石畳、並木道)、笹原一里塚、錦田一里塚、山中城跡、国の重要文化財の三嶋大社がある。

 箱根八里街道観光推進協議会長・豊岡三島市長の話 大変名誉なこと。歴史文化資源を長い間、地域と協働しながら継承してきたことが評価された。これを契機に、資源を活用し国内外に情報発信することで観光振興や地域経済の活性化につなげ、将来にわたって箱根八里が地域に誇りと愛着を持たれるよう取り組んでいきたい。

 川勝平太県知事の話 時を越えて江戸への旅路にいざなうストーリーが高く評価されたものと思う。県初となる日本遺産が認定されたことは、県の歴史・文化の魅力の一層の発信に寄与するものと期待している。

 ■31日、総会で認定を報告 街道観光推協

 日本遺産に申請した箱根八里街道観光推進協議会(会長・豊岡武士三島市長)は2016年に、認定を目指して発足した。4市町の官民関係団体約60人で構成する。

 前年度は10月下旬から1カ月間、三島―箱根間の2次交通体系の強化を図る狙いで社会実験をほぼ1カ月間、実施した。カーシェアリングやバスの増便、鉄道との接続強化などに取り組んだ。三島信用金庫、神奈川県のさがみ信用金庫と街道観光の推進や交流連携でパートナーシップ協定も結んでいる。

 本年度総会は31日、三嶋大社で開き、日本遺産認定を報告する。

 箱根八里 1604(慶長9)年、江戸幕府が整備した。小田原宿と三島宿を結ぶ標高845メートルの箱根峠を越える約32キロ区間。松や杉並木が作られ、一里塚が築かれた。80(延宝8)年ごろ石畳に改修された

 【写説】日本遺産認定された箱根旧街道=三島市の山中城跡付近