基調講演する武内さん=伊豆市の修善寺総合会館

 ■“世界の宝”次世代へ 東大の武内教授「環境負担かけない独自システム評価」 

 伊豆地区と静岡市の3市4町を栽培地域とする「静岡水わさびの伝統栽培」の世界農業遺産認定を記念したフォーラムが23日、伊豆市の修善寺総合会館で開かれた。生産者や商工・観光関係者、一般市民ら事前申し込みの約500人が来場。基調講演や生産者による取り組み発表を通じ、同遺産認定の意義を考えた。

 今年3月の認定を契機に、ワサビ田の保全・継承や地域活性化に向けて一丸となって取り組む機運を高めようと、静岡わさび農業遺産推進協議会と県が主催、同市が共催した。同協議会長を務める川勝平太知事は「世界の宝を預かっている県民、市民として、次世代に伝える決意を新たにしたい」、開催地代表の菊地豊市長(協議会副会長)は「環境保全について考えてほしい。地球温暖化で天城山の水がなくなったらワサビ栽培ができない」とあいさつした。

 基調講演は、東京大サステイナビリティ学連携研究機構長・特任教授の武内和彦さんが「世界農業遺産となった静岡水わさびへの期待」をテーマに話した。同遺産については「伝統的な農林水産業を営む地域(システム)を認定する制度」と説明。「静岡水わさびは、環境に負担をかけない独自の農業システムとして評価された」と語った。

 同遺産認定の効果については「地域住民の誇りの創出・醸成」「農産物の付加価値の向上」「地域の活性化」を挙げ、移住・定住促進や観光客増加などの効果があった先進地事例も紹介した。

 【写説】基調講演する武内さん=伊豆市の修善寺総合会館