実際に走行中の列車でサバイバルナイフを手に乗客の女性を襲う不審者(中央)=伊豆箱根鉄道駿豆線

 2020年東京五輪開幕2年前の24日、官民が連携してテロの未然防止に取り組む「テロ対策ネットワーク三島」が発足した。三島署をはじめ関係自治体と地域の公共交通機関、民間事業者39機関で構成し、今後、情報共有や合同訓練など地域に密着した活動を推進し、万一に備える。

 設立に伴い、県警初となる運行中の鉄道内を会場にしたテロ対策訓練が、三島−修善寺間を走る伊豆箱根鉄道駿豆線で実施された。

 本社前の大場駅から三島田町駅間に臨時列車を運行し(1)殺傷能力の高い刃物を持った不審者による列車テロ(2)機動隊爆発物処理班による不審物(ダイナマイト入り手提げバッグ)対応(3)駅ホームの刃物テロリストに対する緊急配備−を行った。

 訓練(1)では、途中駅から乗車した不審者が列車真ん中の車両で突然怒声を上げて女性客を殴り、さらにサバイバルナイフを手に「死ね!」「順番に殺してやる!」とわめきながら次々と乗客を襲った。パニック状態の乗客が先頭車両に逃げる中、女性と男性客の2人を刺し、非常停車した大場駅で通報で駆け付けた署員が確保した。

 警察や同鉄道、沿線自治体などから約150人が参加。ワンマン列車の運転士による緊急時の判断、指令を伝える運転管理所の的確な対応、警察との連携を重点的に確認した。

 設立総会で高橋敏文署長は「6月には、走行中の新幹線車内で無差別殺傷事件が発生した。五輪を機に伊豆地域への外国人旅行者の増加も見込まれることから、官民一体となったテロ対策を推進していく」と力を込めた。

 【写説】実際に走行中の列車でサバイバルナイフを手に乗客の女性を襲う不審者(中央)=伊豆箱根鉄道駿豆線