井上靖が学校のために書いた「故里美し」を音読する徳山さん(中央)=伊豆市の天城中

 伊豆市立天城中で19日、井上靖文学館(長泉町)による出張授業「井上靖と天城」が行われた。学芸員の徳山加陽さんが訪れ、幼少期を天城湯ケ島地区で過ごした井上と同校との接点などを解説した。

 2年生が授業を受けた。徳山さんは井上と学校の関わりが3項目あると説明し、生徒に質問。生徒たちは「校歌を作詞した」「校訓の克己、学校前の克己坂」と答えた。徳山さんは、井上の自伝的小説「しろばんば」で、主人公の洪作少年が先生から「克己」を教えてもらう場面があることを話した。

 生徒が答えられなかったもう1項目として、徳山さんは井上のエッセー「故里美し(ふるさとうるわし)」を紹介。「昭和40年代の生徒会誌に載った。すでに売れっ子だった井上が学校のために書いた」と解説した。徳山さんは朗読もし、生徒たちは目を閉じて聞いた。

 出張講座は2016年に始め、同校は2回目。天城小や三島市、小山町などの小中学校でも行っている。

 【写説】井上靖が学校のために書いた「故里美し」を音読する徳山さん(中央)=伊豆市の天城中