「江川家資料に見る韮山反射炉操業点描」と題して報告する西脇さん=伊豆の国市の中央図書館

 ■伊豆各地から物資、職人 江川家資料解読で判明 

 伊豆の国市、市教育委員会は9日、「明治150年記念 明治日本の産業革命遺産韮山反射炉講演会」を市立中央図書館で開いた。江川文庫所蔵の重要文化財「韮山代官江川家関係資料」の解読作業で判明した反射炉の大砲鋳造の実態について、調査に当たった専門家が解説した。

 東京大史料編纂(へんさん)所専門職員の西脇康さんは「江川家資料に見る韮山反射炉操業点描」と題して報告した。反射炉を操業するために、回覧文書「廻状(かいじょう)」で伊豆各地の村々から物資の調達、職人、人員の動員をしていたことを説明。「徴発による人手不足で賃金が高騰することや、燃料の調達で一時的なはげ山をつくってしまうことがあったのではないか」などと推測した。

 また、線香を使って時間を計っていたことやその日の天候、反射炉で働いていた人たちの休日などが日記から読み取れることを紹介した。「安政の東海地震発生などがあり、反射炉の操業が順風満帆に進んでいたわけではない」とも述べた。

 同所長の保谷徹さんによる「韮山反射炉における大砲鋳造と江川家−資料調査の成果より−」をテーマとした講演も行われた。定員いっぱいの約100人が来場した。2人の解説に耳を傾け、質問もした。

 【写説】「江川家資料に見る韮山反射炉操業点描」と題して報告する西脇さん=伊豆の国市の中央図書館