新たに導入したドローンによる農薬散布に取り組む「三島函南農業用マルチローター利用組合」の宮沢さん=三島市笹原新田

 ■マルチローター利用組合 「急傾斜の箱根西麓で効果大」

 スマート農業を推進するJA三島函南は、新たにドローン(無人航空機)を活用した農薬散布の取り組みをスタートした。10日、箱根西麓地域にある三島馬鈴薯(ばれいしょ)のほ場で、この春に設立した「三島函南農業用マルチローター利用組合」のメンバーらが初のドローン飛行を実施。効果を確かめながら、成育中の苗に上空から農薬を散布した。

 ドローンを導入したことで、通常は人の手で約2時間かかる農薬散布が、わずか10分ほどで可能になった。まずは地域ブランドでもある三島馬鈴薯と、水稲を対象にドローン散布を取り入れ、今後はさらに対象となる作物や規模を増やす方針という。

 導入したドローン(幅1メートル)は6基の回転翼があり、1回の充電で10分の飛行が可能。初の試みとなったこの日は同組合の宮沢竜司さん(34)がオペレーターとなり、関係者の前で操縦。希釈した約25リットルの農薬を数回に分けてドローンにセットし、2メートルほどの上空から計約70アール分の畑に順次、散布した。

 人間が作物の葉や茎などを傷つける心配がある通常の散布や、従来の無人ヘリなどに比べても、今のドローンは操作性や安定感で信頼が高いという。同JAは「農家の負担を減らし、省力化につながるドローン散布は、特に農業の担い手の高齢化が進む地域で力を発揮する。馬鈴薯をはじめ、急傾斜地で栽培される箱根西麓地域の野菜には、さらに効果が高い」と語り、さらなる規模拡大に意欲を見せる。

 作業に当たった宮沢さんは「初めてで緊張したが、普段と比べて体への負担が少なく、実感としては『10分の1の労力で散布作業を終えた』という感じ。今後、依頼があればどんどん需要に応えられるような体制にしていきたい」と振り返った。

 【写説】新たに導入したドローンによる農薬散布に取り組む「三島函南農業用マルチローター利用組合」の宮沢さん=三島市笹原新田