梶井基次郎文学碑の横にレモンを供える参加者=伊豆市湯ケ島

 代表作「檸檬(れもん)」をはじめ約20作品を残し31歳で亡くなった伊豆市湯ケ島ゆかりの作家・梶井基次郎(1901~32年)をしのぶ「湯ケ島檸檬忌」が12日、梶井が滞在した元「湯川屋」などで開かれた。県内外から約40人が参加。講話、追悼の会などを通じ、在りし日の梶井に思いをはせた。

 湯川屋主人だった故安藤公夫さんは71年、湯川屋向かいの丘に私費で文学碑を建て、翌年に檸檬忌を始めた。安藤さんの死去後に途絶え、2000年の伊豆新世紀創造祭で一度復活したが、その後は行われなかった。16年、安藤さんが以前編集した「梶井基次郎と湯ケ島」を井上靖文学館(長泉町)が復刊したことをきっかけに、関係者による実行委員会で復活させた。

 文学碑前で行った追悼の会では、参加者が碑の横にレモンを供えて手を合わせ、最後は全員で黙とうした。元湯川屋での講話は、詩人三好達治のおい、三好達治記念館(大阪府)の三好龍孝館長が「友人の目から見た梶井」と題して話した。

 復活2年目から実行委員長を務める安藤さんの孫神田航平さん(伊豆の国市四日町)は「今後も継続させたい。2年後は梶井の生誕120周年に当たるので、ゆかりの地と一緒に何かできれば」と話した。

 梶井は結核療養のため約1年半、湯ケ島に滞在し、短編6編を執筆した。

 【写説】梶井基次郎文学碑の横にレモンを供える参加者=伊豆市湯ケ島