調印式に臨む「アシウエル」の水口社長(右から2人目)とシューズハウス・オオイシの大石代表(同3人目)=函南町商工会

 ■函南商工会で調印

 函南町間宮の老舗靴小売り店「シューズハウス・オオイシ」が、伊豆の国市田京のオーダーメード・インソール販売「アシウエル」に、県の事業承継支援戦略の下で全国初の事業譲渡に成功した。24日、成約調印式と記者会見が函南町商工会で開かれ、静岡商工会議所と県産業振興財団の関係者が、オオイシの大石良則代表(58)とアシウエルの水口徹社長(43)らと共に、画期的なビジネスマッチング成功の経緯を説明した。

 静岡商議所と同財団は2018年春から、後継者がいない地元中小企業が廃業するのを防ぐ目的で、中小企業庁から「親族内承継」「従業員承継」を軸とした「プッシュ型事業承継支援高度化事業」を共同受託している。

 今回のケースでは、そこに普段は「第三者承継(後継者人材バンク)」を専門に扱う「事業引継ぎ支援センター」(同商議所内に設置)が加わることで、支援すべき対象の垣根を越えて連携し、成約にこぎつけた点が、全国初の事例となった。

 今後は、起業を目指していたアシウエルが、オオイシの販売店舗と創業34年で培った約4千の顧客を受け継いだ上で、フットケア技術やデジタル測定器などを取り入れながら新たな業態を確立する。

 調印式には三島商議所の稲田精治会頭、函南町商工会の八木戸一重会長も出席。「このたびの成約事例が、国内の小規模事業者の大きな希望や明かりにつながればうれしい」と、現場レベルでの粘り強い支援が実を結んだことを喜んだ。大石代表は「今回の奇跡的な出合いに感謝したい」と満足そうに語った。

 【写説】調印式に臨む「アシウエル」の水口社長(右から2人目)とシューズハウス・オオイシの大石代表(同3人目)=函南町商工会