近藤浩一路の水墨画を桜井校長(左)に手渡す野田さん(中央)と森野さん=伊豆の国市の韮山高

 ■富士山、独鈷の湯など題材6点

 伊豆市修善寺の菊屋旅館大おかみ野田みど里さん(84)が30日、水墨画家、漫画家の近藤浩一路(1884~1962年)の絵画6点を浩一路の母校・韮山高に寄贈した。野田さんが元同校校長の森野弥良さん(86)=同市=と共に同校を訪れ、「出身校に保存してもらえればうれしい」と桜井祥行校長に手渡した。

 浩一路は山梨県南部町の名家の生まれで、旧制韮山中(現韮山高)第5回卒。西洋画から水墨画に転じ、独自の画風を貫いた。東京国立近代美術館、山梨県立美術館に秀作が所蔵されている。

 近藤家は韮山高の前身・私立伊豆学校の学監柏木忠俊と姻戚であったため、一族の多くはここで学んだという。夏目漱石の小説「坊っちゃん」や「吾輩は猫である」などを漫画にしたことでも知られる。

 寄贈したのは、富士山が描かれた額装の水墨画や軸装の墨画「雪景色図」「田園風景図」、修善寺温泉・独鈷の湯をモチーフにした墨彩画など。野田さんらによると、同旅館に滞在中に描いたものではないかという。

 野田さんからどこかに寄贈したいとの相談を受けた森野さんが桜井校長に話し、同校に贈ることに決めた。同校が所蔵する浩一路の絵画「白雪」の前で受け取った桜井校長は「大変ありがたくお受けしたいと思う。少しでも韮山高の芸術を大事にしていきたい」と感謝した。

 【写説】近藤浩一路の水墨画を桜井校長(左)に手渡す野田さん(中央)と森野さん=伊豆の国市の韮山高