妻良区が所蔵する江戸時代の同区を描いた絵図と高橋さん=南伊豆町妻良の妻良公会堂

 南伊豆町の妻良区が公会堂に所蔵する約600点の古文書の目録がこのほど、完成した。町史編さん委員の高橋福生さんと、同編さん室職員の内藤美奈子さんが手掛けた。1600年代から昭和までに同区で起きた訴訟や事故、請願などの記録を収めている。全国から問い合わせが来る貴重な資料もある。高橋さんは「今まではどの資料がどこにあるか分からなかった。今後は管理が容易になり、次代へ継承する一助になった」と語った。

 古文書は代々の名主が残した物だという。30年以上前に東京教育大(現筑波大)の学生が分類し封筒へ収めたが、目録はなかった。必要な資料を探すのが困難で、紛失しても分からない状態だった。2人は昨年12月に作業をスタート。誤った分類の訂正や状態の悪い資料の裏打ちを行い2月に終えた。

 資料の中で特に貴重とされるのが江戸−大坂間の海路を描いた「浦方略絵図」。海路沿いに無数に存在した風待ち港が細かく描き込まれ、当時の海上交通の様子を知ることができる。

 妻良港の絵図は10点以上あり高橋さんは「いかに重要な港だったかが分かる。明治初期の資料では妻良坂を1日に220人が越え、大量の薪炭(しんたん)を運んでいた。地域の物流の拠点だった」と語った。

 【写説】妻良区が所蔵する江戸時代の同区を描いた絵図と高橋さん=南伊豆町妻良の妻良公会堂