84年ぶりの修復を終え、真新しい収蔵庫に収まった重文「大日如来座像」=下田市蓮台寺の天神神社

 ■京都から帰還、特別公開 

 下田市蓮台寺の天神神社の国指定重要文化財「大日如来座像」が13日、84年ぶりの修復を終え、京都市の美術院国宝修理所から帰還した。老朽化していた収蔵庫も昨年9月に改修工事が完了。大日如来座像に続き、四隅を固める武将「四天王立像」を今年、同修理所で修復する。3月25日~4月2日、大日如来座像を特別公開(午前10時~午後3時)する。

 今回は、浮き上がった漆や金ぱくの剥落止め、台座の補強、像内部のくぎやかすがいのさび落としなどを行った。座像本体、台座、後光を表す光背(こうはい)とも、重厚な装いを取り戻した。昨年5月から修理に出していた。

 同日夕、大日如来座像を真新しい収蔵庫に収め、帰還の神事を行った。修復委員長の坂倉碩夫区長は「修復現場を2度見学した。84年分のあか落としから懇切丁寧な修復作業を拝見し、感動した。きれいになった大日如来座像を迎え、感無量」と話した。

 今回の修復は、老朽化した収蔵庫の改修計画が発端。文化庁の調査官や仏像専門家に調査を依頼した結果、大日如来座像、四天王立像とも傷みが激しいことが分かった。「蓮台寺の宝を廃仏にはできない」と2015年に修復委員会を立ち上げ、一体的に取り組むことになった。大日如来座像、四天王立像、収蔵庫合わせた総事業費は約3千万円。大日如来座像は、鎌倉時代の承久年間(1219~21年)に廃寺になったとされる幻の密教寺院「蓮台寺」の本尊と伝えられる。その特徴から平安後期の遺風を残した鎌倉初期の作とされる。ヒノキの寄せ木造りで、高さは114センチ。1920(大正9)年に国宝に指定され、法改正で現在は重要文化財となっている。

 【写説】84年ぶりの修復を終え、真新しい収蔵庫に収まった重文「大日如来座像」=下田市蓮台寺の天神神社