港の中に座り込み周囲をうかがうアホウドリ=下田市須崎

 国の特別天然記念物アホウドリ1羽が31日、下田市の須崎港で一時的に保護された。利島沖で操業していたキンメダイ漁船の針に引っかった。左足に足輪があり、体長は60センチほどで若鳥とみられる。針を外し放鳥され2時間ほど港にとどまり、南方へ去った。県内で確認されたのは21年ぶり2例目で伊豆半島は初という。

 海面に浮いていた餌付きの針に足が引っかかったという。漁師が港へ運び針を外して放した。しばらく陸地でじっとしていたが、午後0時20分ごろ、泳ぎだし港の外へ出た。現地では住民が集まり遠巻きに観察したり写真を撮ったりした。

 伊豆野鳥愛好会の酒井洋平会長(伊東市)は「今は繁殖の時期。鳥島などの繁殖地を拠点に、北海道近くまで餌を探して飛ぶ」とし「コアホウドリやクロアシアホウドリは伊東で見つかるが、普通のアホウドリは外洋の鳥でほとんど陸に近寄らない」と述べた。

 【アホウドリ】 夏季はベーリング海周辺で暮らし、冬季は鳥島や小笠原諸島で繁殖する。日本最大級の海鳥で成鳥は体長約1メートル。乱獲で減り絶滅危惧2類に指定されている。県内では1996年3月18日、富士川河口で見つかって以来の目撃。

 【写説】港の中に座り込み周囲をうかがうアホウドリ=下田市須崎