リコール署名簿縦覧の準備をする河津町選挙管理委員会職員=町役場

 子育て支援と文化ホール、防災避難の河津町複合施設計画を巡る問題は、相馬宏行町長の解職請求(リコール)の署名簿縦覧が31日に始まり、複合施設反対派と賛成派の対立がさらに深まる局面を迎えた。10月までの実施が濃厚となった住民投票へ向け、両派の有権者への働き掛けが過熱しそうだ。

 リコールに署名した男性(67)は「町長を辞めさせたい訳ではないが、他に方法がなく最終手段。町の年間予算の3割以上(総事業費約17億5千万円)を使う事業はもう少し検討が必要だ。子育て支援施設は必要だが、文化ホールはいらない。代用できる施設がある」と理由を語る。

 建設に賛成する女性(73)は「子育て支援施設は町民要望が強く、文化ホールは30年以上の懸案。民意を反映し議会の議決をもって進めているにもかかわらず、反対している町議の資質を疑うし信頼できない。町長が迷惑を掛けた訳ではないのにリコールなんて納得がいかない」と憤る。

 縦覧で誰が署名したかが分かるようになり、町民の間には心配する声が漏れてくる。賛成か、反対かによって人付き合いにも影響が出始めているという。「こんな町になってしまって恥ずかしい」と嘆く町民もいた。

 相馬町長は、リコール署名活動を受け「法の下で行われることなので、住民投票まで推移を見守る」と静観し続けている。複合施設整備を事実上ストップしているが、推進する姿勢を崩さない。

 署名活動をした住民組織「あしたの河津をつくる3168」の稲葉誠次代表は「純粋に複合施設に対する住民の意思を決めたい」と活動前に話した。

 住民投票ではっきりさせる前に、両者がすべきことはないか。対話が一度もないことに違和感を抱く町民も少なくない。町民不在の“冷戦”は誰も望まない。

 ■署名簿縦覧、満席続く

 河津町の相馬宏行町長の解職請求(リコール)署名簿の縦覧が31日、町役場2階委員会室で始まった。開場間もなくからほぼ満席状態が続き、縦覧者は17人だった。

 8席を用意し、満席状態は午後3時すぎまで続いた。縦覧しているのは住民組織から提出された3008人分(有効署名は2875人分)。

 縦覧は6日まで午前8時半~午後5時、町選挙人名簿登録者に限られ、印鑑と免許証か健康保険証を持参する。署名に関する異議申し出など詳しくは町選管〈電0558(34)1957〉へ。

 【写説】リコール署名簿縦覧の準備をする河津町選挙管理委員会職員=町役場