威勢良く竹を引き回す若衆ら=下田市加増野の報本寺

 ■無病息災願い無事9周

 400年以上の歴史がある下田市の指定無形民俗文化財「山随権現祭幡(はた)廻し」が11日、加増野の報本寺(富永隆明住職)で行われた。若衆約30人が、先端に幡を付けた真竹を威勢良く引き回し、集まった住民らとともに家内安全や無病息災を祈願した。

 毎年8月11日に行われる。境内で高さ10メートル以上の竹を計9周引き回まわし、一度も倒れなければその年は豊作で疫病も撤退すると伝えられている。一説によると土肥の豪族・富永政重を山随権現として祭り、1600年代後半から現在の形になったと言われている。

 厳かな雰囲気の中、水がまかれてぬかるんだ境内に、身を清めた浴衣姿の若衆が登場した。禰宜(ねぎ)の合図とともに「後引き」の衆が竹を強く引き回し、「虎」と呼ばれる若衆が竹を必死で支えた。無事9周回し終えると、集まった人たちから拍手が湧いた。

 地元出身で伊豆の国市に暮らす斉藤順子さん(46)は「これを見ると夏が来たと感じる」と話した。

 【写説】威勢良く竹を引き回す若衆ら=下田市加増野の報本寺