ここ数年のナラ枯れ被害で枯れ木や葉が変色した木ばかりが並ぶ尾根=南伊豆町妻良

 ■シイタケ栽培にも影響

 賀茂地区でカシノナガキクイムシ(通称カシナガ)によるナラ枯れ被害が相次いでいる。南伊豆町を中心に全6市町でナラ、カシ、シイなどの枯死が確認された。盛夏の山に茶色い葉や枯れ木が点在し景観を悪化させているほか、一部ではほだ木用の木が枯れシイタケ栽培に影響が出た。

 ナラ枯れはカシナガが、カビの一種「ナラ菌」を木に運び込み発生する。6~8月にカシナガが幹に直径1・5ミリほどの穴を開けて侵入、菌糸が道管で繁殖し通水障害を起こし木を枯らす。ブナ科全般が被害対象で、特に樹齢を重ねた太い木を好む。

 県賀茂農林事務所森林整備課によると管内で最初に被害が確認されたのは5年ほど前で、担当者は「山の中で1本だけ枯れることが多く、被害面積は把握し切れない」と話す。2016年には松崎町でシイタケのほだ木用のクヌギに被害があったという。県東部農林事務所によると、天城山を越えたシイタケの一大産地の伊豆市でもナラ枯れが確認されているという。

 南伊豆町西部は特に被害が激しく妻良では尾根沿いに枯れ木が並ぶ。一色の50代男性は「被害木は根元に木くずがありすぐ分かる。カシナガが穴を開けた痕だ。家の裏などで倒れたら危険だ」と山に目をやり気をもむ。

 同町地域整備課は枯れ木を伐倒し薬品でいぶすなど対応を進めており担当者は「私有地の木は対応が難しく、伐倒は町道をふさぐものが対象になる。できる限り対応したい」と述べた。

 カシノナガキクイムシ 甲虫の仲間で成虫の体長は約5ミリある。雌の背に菌を入れる穴があり、侵入した木の中で繁殖した菌を食べる。集合フェロモンにより1本の木へ数十~数百匹が侵入する。木の中で交尾や産卵を行い、翌年に1本の木から数万匹の成虫が飛び出す。

 【写説】ここ数年のナラ枯れ被害で枯れ木や葉が変色した木ばかりが並ぶ尾根=南伊豆町妻良

 【写説】ナラ枯れの原因となるカシノナガキクイムシ(森林総合研究所提供)