鮮魚コーナーで談笑する文敏さん(左)と鈴木さん=南伊豆町の道の駅・下賀茂温泉湯の花

 従来は人にあげたり捨てたりしてきた磯魚を新たな収入源につなげようと、南伊豆町の若手漁師ら3人が立ち上がった。下流の漁師・平山文敏さん(35)を中心に団体を結成し、南崎地区の漁師数十軒から未利用魚を集めて販路開拓や商品開発を行う。1月中旬から、新団体で道の駅・下賀茂温泉湯の花内農林水産物直売所に出荷を始めた。

 同町は県内トップの伊勢エビ漁獲量を誇りアワビやサザエも豊富なことから、魚は見過ごされてきた。特にエビ網にかかる磯魚は、ほとんど市場に出なかった。

 現状を改めようと文敏さんと石廊崎の漁師・鈴木萌さん(30)、下流の友人・平山善太郎さん(30)の3人は「南崎漁師倶楽部」を結成した。文敏さんが衛生管理(魚介類販売業)許可を取り、近隣漁師から魚を集めて切り身などに加工し湯の花直売所に出荷する。

 確保できる魚種はブダイ、イタチウオ、カサゴ、メバル、メジナ、ナマコなど42種だ。直売所の渡辺純平店長は「鮮魚は従来、個人出荷しかなく量が少なかった。倶楽部結成で安定した仕入れが見込める」と歓迎する。直売所以外に、首都圏のイベントで魚のあら汁を振る舞い販路を探り、冷凍や海洋深層水の煮魚など土産になる商品開発も模索する。

 ■「地魚の魅力伝えたい」

 文敏さんは「若手で団結し地魚が資源になるようにしたい」、善太郎さんは「南伊豆では大きな市場に出せるまとまった数の確保は難しい。小回りの利く組織で利用を進めたい」、鈴木さんは「南伊豆には他の地域で食べない魚もいる。魅力を伝えていく」と述べた。

 【写説】鮮魚コーナーで談笑する文敏さん(左)と鈴木さん=南伊豆町の道の駅・下賀茂温泉湯の花