約50年の歴史に幕を下ろした「ホテルいそかぜ」=下田市須崎

 ■半世紀の歴史 惜しむ声も

 約半世紀にわたり営業を続けてきた下田市の須崎地区唯一のホテル「いそかぜ」が1月31日、閉館した。経営者の土屋磯雄さん(74)によると、自身の年齢や施設の老朽化、経営状況の悪化などの問題が重なり決めた。施設は譲渡する方針という。

 同ホテルは、土屋さんが27歳の時、東京都から戻り旅館「いそかぜ荘」として創業した。1989年には6階建てで26部屋ある現在の建物に改築。恵比須島に近く、下田湾と太平洋、伊豆七島の景色を望めるホテルとして関東圏を中心に人気を集めたという。蓮台寺から温泉を引き、須崎御用邸の警備に当たる警察官の“憩いの場”にもなっていた。だがバブル崩壊以降、徐々に客足が遠のき、国内大手業者との競争も激化。高額な設備更新費用や後継者がいないといったことも含めて、営業継続のメリットがないと判断した。

 閉館の知らせを受けて、民宿関係者や住民などから「須崎から火が消える」「何とかして続けられないのか」といった惜しむ声も上がっている。

 土屋さんは「出入り業者に迷惑を掛けることになり申し訳ない」と話し「多くの地域の人にお世話になった。心から感謝したい」と述べた。

 【写説】約50年の歴史に幕を下ろした「ホテルいそかぜ」=下田市須崎