応永30年の鰐口

 ■個人、自治会が所有、金属製の打楽器

 県文化財保護審議会は21日、下田市内に所在する「鰐口(わにぐち)」2件を県指定文化財に指定するよう県教育委員会に答申した。県教育委員会は答申通り指定する方針。この2件を加え、県指定文化財は合計552件となる。

 鰐口は、寺社の堂前につるしてある円形・金属製の打楽器。今回、下田市の個人が所有する応永30(1423)年の陰刻銘がある鰐口と、下田市の地区自治会が所有する応永28(1421)年の陰刻銘がある鰐口が県文化財になる。

 応永30年の鰐口は、面径27センチ、厚さ8・3センチ、重さ5・9キロの鋳銅製。表面に奉納先、願主、製作者(河津の鋳物師「定繁」)が刻まれ、1423年に十輪寺に奉納されたことが分かる。裏面にも文明5(1473)年の銘文が刻まれ、諏訪神社へ願主と助縁者が寄り添って改めて奉納したことがうかがえる。

 応永28年の鰐口は、面径14センチ、厚さ5センチ、重さ1・2キロの鋳銅製。表面の外側と撞座(つきざ=撞木が当たるところ)は鏨(たがね)で銘文が刻まれている。判読しがたい部分が多いが「応永廿八年」「い津のくにいな□さ」を読み取ることができる。

 【写説】応永30年の鰐口

 【写説】応永28年の鰐口