今シーズン限りで教育旅行の受け入れを取りやめる下田市の須崎地区

 ■今季限り 軒数減り経営者高齢化

 民宿発祥の地として知られる下田市の須崎民宿組合(土屋磯雄組合長)は、軒数の減少と経営者の高齢化などに伴い、四半世紀に及ぶ教育旅行の受け入れを今シーズン限りで取りやめる。オフシーズンの上客として経営を支えてきたが、他地区でも運営が年々厳しさを増し、大きな転機を迎えている。

 須崎地区では、1993(平成5)年に受け入れを始めた。愛知県と岐阜県の中学校が大型連休後の5~6月に、東京見学の後に1泊2日で来訪。地域の民宿に分宿し、干物開きや磯遊びなどを体験しながら地域の人々とふれあい、好評を得ている。

 ピーク時の98年には20軒の民宿が参加し、15校3200人の受け入れ実績があった。現在、組合加盟13軒のうち、受け入れ民宿は9軒。昨年は外浦地区の民宿の応援を受け、9校1800人を受け入れた。

 受け入れ中止の背景には、民宿の減少に加え、高齢化した経営者の負担増がある。事前に届く荷物の運び入れをはじめ、個々の民宿で担当する干物開き、雨の日の対応(サザエキャンドルやトコロテン作り)など、一般客以上の労力を要する。

 最後のシーズンとなる今年は、5月下旬から6月下旬までに7校1588人を受け入れる。

 受け入れ中止に伴い、組合は主な収入である教育旅行の斡旋(あっせん)手数料が途絶えるため、事務所を本年度中に閉鎖する。

 土屋組合長は「長年に及ぶ教育旅行の中止は残念。須崎で思い出をつくった生徒たちが、大人になって再び訪ねてくれることを願っている」と話した。

 ■各地区 厳しい運営

民宿の教育旅行受け入れは、伊豆地区では昭和60年前後に南伊豆町の妻良地区でスタートし、数年後に同町子浦地区が続いた。下田市では須崎地区を皮切りに田牛、白浜、外浦地区で開始した。

 しかし近年、各地区とも運営は厳しい。子浦地区では既に中止し、妻良地区では数軒が少人数の学校に限り受け入れている。

 現在、受け入れが最も多い田牛地区でも「そろそろ限界。14軒のうち、5軒が来年はやめたい、といっている。10軒を切ると200人以上の団体の受け入れは難しくなる」(田牛観光協会)と厳しい状況にある。

 ■今季予約は25校4596人―伊豆下田地区

 下田市の伊豆下田地区教育旅行協議会によると、今シーズンの教育旅行は、5~6月に4地区で計25校4596人の予約が入っている。

 地区別の内訳は、田牛地区が13校2201人、須崎地区が7校1588人、外浦地区が8校647人、白浜地区が1校160人。

 最初の団体は、5月8日に田牛地区に来訪する愛知県一宮市立大和南中3年生60人。

 【写説】今シーズン限りで教育旅行の受け入れを取りやめる下田市の須崎地区