テラス部分に登った会員とジオガイド。テラスは奥まで続いている=南伊豆町手石の鳩穴

 ■足場一面、隆起の痕跡か 地元ジオガイドらで話題

 南伊豆町手石弥陀山にある海食洞窟「鳩穴」は内周の海抜約7メートルに、巨大なテラス状の平たい足場がある。床面は波に洗われたような丸い石で覆われ、隆起の痕跡とみられている。従来は釣り人がまれに訪れる程度の場所だったが、地元ジオガイドらの間で話題になり調査が行われている。

 5月下旬に日詰遺跡の会(島川正次会長)とジオガイドら約15人が訪れた。はしごで内部に入り島川会長は「こんなところは他にない」と話し写真を撮った。鳩穴は三尊像で知られる弥陀窟の左隣にあり、開口部の高さと奥行きは共に10メートル以上。テラスは幅は約2~3メートルで、U字状に内周を囲む。

 洞窟内外にはこぶし大の角ばった石と細かい粒子が混じった岩場が広がるが、テラス床面だけは石の角が取れて丸い。南伊豆ジオガイドの会の関本宗一会長はこれを隆起の痕跡と推測する。「テラス部分は波の浸食でできたのではないか。表面が洗われた後に隆起で持ち上がったのだろう」と話す。

 現在の手石や湊の集落はかつて内海で、2キロほど内陸の鯉名川付近で源平合戦の海戦も起きたとされる。ここ数百年で隆起し今の姿になった。関本会長は「隆起の痕跡は他にもあるが、洞窟の中で見られるのは興味深い」とした。

 【写説】テラス部分に登った会員とジオガイド。テラスは奥まで続いている=南伊豆町手石の鳩穴

 【写説】足元一面に広がる丸い石=南伊豆町手石の鳩穴