福井市長に1700万円の目録を手渡す野口さん(左)=下田市役所

 ■先代社長の出身地へ

 北海道登別市に本社を置き、北海道や神奈川県でホテルや旅館20軒を経営する野口観光(野口秀夫社長)が3日、下田市に1700万円を寄付した。同市への寄付は10回目で、金額は合計1億円に達した。

 野口社長の父・秀次氏は、下田市柿崎の出身。北海道で自動車販売店やガソリンスタンドを経営した後、1963年に登別市でホテル事業に乗り出し、2009年に亡くなった。

 秀次氏は柿崎尋常高等小学校時代に受けた恩に報いるため、1998年から寄付を始めた。亡くなった後も次男の秀夫さんが遺志を継ぎ、寄付を続けてきた。

 市は秀次氏の寄付金を原資に1998年、「下田市奨学振興基金」を設置。進学が決まり品行方正、学習意欲おう盛ながら学資に困っている中学生を対象に、10万円の就学奨励金を交付している。これまでに205人が奨学金を受けた。

 奨学金のほか、姉妹都市・米国ニューポート市への中学生派遣事業、玉川大学との連携による英語力向上プロジェクト、英語検定受検補助、プログラミング教育などに活用している。

 市役所で贈呈式が行われ、野口社長は「父は家庭の事情で上の学校へ行けなかった。今でも、そのような人たちがいるだろう、と寄付を申し出た。1億円になるまで続けると言っていたので、私が引き継いだ。さまざまな教育に活用されていて安心しました」とあいさつ。

 福井祐輔市長は「秀次さんの遺志を受け、国のため下田のために活躍する人材が育っている。この浄財を有効に活用させていただきます」と礼を述べた。市は野口社長に感謝状を贈った。

 【写説】福井市長に1700万円の目録を手渡す野口さん(左)=下田市役所