ロケット梱包で運ばれる「仁科の真イカ」=西伊豆町の仁科漁港

 ■夏でも高鮮度・品質輸送を 生きたまま1匹ずつロケット梱包も

 県は28日、西伊豆産水産物のブランド価値向上と取引拡大を目指し、駿河湾フェリーを活用した県中部への夏季の流通実証実験を開始した。伊豆漁協に委託し、仁科漁港に水揚げされた新鮮な魚介類の高鮮度・高品質を保つ輸送を試みる。

 県とエスパルスドリームフェリーが駿河湾フェリーの効果的な事業利用に向け、国土交通省の認可を受けて創設した「農林水産物輸送割」を利用した初の取り組み。しずおか食セレクションに認定された「仁科の真イカ」(スルメイカ)をはじめとした生きたイカ、朝じめの鮮魚を輸送する。実験は3月中旬まで全15回行う。

 同日朝、同漁協や同町などの関係者が輸送作業に汗を流した。スルメイカは約40匹を用意。うち6匹は「ロケット」という梱包(こんぽう)方法を施した。ビニールに海水を入れ、生きたまま1匹ずつパッキングする方法で、同漁協では初の試み。鮮度を保て調理しやすいため飲食店に好まれ、通常よりも4~5倍の値が付くという。

 そのほか、カンパチやメイチダイなど鮮魚も軽トラックに積み、伊豆市の土肥港からフェリーに乗り込んだ。清水港に到着後は静岡市の中央卸売市場と県内で飲食店を展開する「なすび」に運んた。水産振興課の霜村胤日人(つぐひと)主査は「県民に西伊豆の魚を食べてもらい、西伊豆に『来てもらう』ことにもつながってほしい」と話した。同漁協の山本伸人・仁科支所長は「西伊豆で水揚げされた魚のほとんどは東京や沼津に卸していた。新たな販路を得ることは心強い。漁師たちの所得向上を目指したい」と話した。

 同実証実験は昨年度も冬に行われた。本年度は前回の結果を踏まえ「夏に生きたままの運搬が可能か」などを調べるためこの時期に開始した。

 【写説】ロケット梱包で運ばれる「仁科の真イカ」=西伊豆町の仁科漁港