域外利用に関して総務省から早急な見直しを求められている「南伊豆町ふるさと寄付感謝券」

 ■総務省「地場産品以外」見直し求める、町「利用は賀茂圏域、他県と違う」 減収で教育・子育て支援の停滞を懸念

 総務省がふるさと納税の返礼品規制を決めたことを受け、南伊豆町が反発している。同町は寄付者に町内外で利用可能な金券を贈っており、同省から「地場産品以外」だとして早急な見直しを求められた。一方で岡部克仁町長は「寄付者へのサービスが第一で、町外でも使えるのはそのためだ」と広域利用の価値を強調。寄付を財源に進めてきた教育・子育て支援停滞の恐れもあり、本格的な法規制が進むまで様子見を続ける構えだ。

 9月、野田聖子総務相(当時)は会見で「制度の趣旨をゆがめているような団体については、ふるさと納税の対象外にする」と発言。同時に見直しを求める自治体一覧を公表し伊豆地区で唯一、同町が指摘された。今後法規制が進むとみられる。

 やり玉に挙がっているのは「ふるさと寄付感謝券」。賀茂全域と伊豆市の、宿泊施設と野外体験(カヤック、パラグライダーなど)で利用できる。商工観光課の斎藤重広課長は、「国は従来、広域化を推進してきた。賀茂圏域で共栄すると考えれば町外利用は正義だ」と反論する。県内のある自治体が全国飲食チェーンの金券を提供しながら見直し対象ではないことを例に「基準が不明瞭だ」と規制に異を唱える。同自治体には同チェーンの工場がある。

 感謝券は同町返礼品の寄付額の5割、件数で2割を占める人気の品。残りは海産物などで同課担当職員は「ほかに人気の伊勢エビは時期が限られる。通年利用可能な感謝券は欠かせない」と語る。

 町は寄付で学校のエアコンや公園遊具の整備をしてきたため、減収すれば停滞につながりかねない。既に町は本年度、同省指針に従い返礼率を引き下げ、寄付額は7月末時点で前年比7割減の約3千万円余りとなり、これ以上の減収は避けたいところだ。斎藤課長は「法規制されれば寄付者に不利益が出るため対応せざるを得ない」としつつも、Xデーまで見直しを可能な限り引き延ばす考えだ。

 岡部町長は「ふるさと納税制度には首都圏から批判があり、見直しによる存続は重要と思う。ただ感謝券の利用は賀茂圏域であり、他県のブランド牛肉を贈ったような事例と違う」とした。同町は返礼率を3割に下げたが、感謝券を利用し町内で宿泊する際は町観光協会が独自に発行する寄付額2割相当の「ふるさと宿泊助成券」を追加で利用できる。

 【写説】域外利用に関して総務省から早急な見直しを求められている「南伊豆町ふるさと寄付感謝券」