移植される大島桜の大木(左後方は東河エコクリーンセンターの煙突)=東伊豆町稲取の町クロスカントリーコース

 ■隠れた桜の名所 野生種、シンボルに

 東伊豆町は、稲取の町クロスカントリーコース内で県の農道整備区域にある大島桜を、来年3月末までに移植する。樹齢70~100年とみられる大木で樹形も珍しいという。町議会12月定例会に提出する2018年度一般会計補正予算案に経費約300万円を計上する。

 この大島桜は、クロカンコースのスタート地点から約1キロ地点付近に立つ。高さ約12メートル、枝幅最大約19メートル、幹回り約3メートル。14年度に町が行った松枯れ調査中に初めて確認された。幹の低い部分からの枝分かれが多い樹形が特徴で、3月中・下旬ごろ、白い花を咲かせる。

 樹木医加藤正通さん(奈良本)によると、伊豆に存在する野生種の一種で実生から成長したとみられる。樹形的に下層が太く分岐している特性は数少ない。加藤さんは「伊豆特有の古い木を残すことは、本来ある植生を生かすことになる」と話した。

 県による稲取農道整備が入谷―JA伊豆太陽みかんワイナリー前で進められており、この大木が支障になると分かった町は、現在地から北東方向に約30メートル移植し残すことにした。予算296万円が可決され次第着手し大型クレーンを使用する。

 町によると、クロカンコース内にはソメイヨシノや大島桜など多くの桜を県などが植栽した。花見シーズンには毎年、スタート地点やツリーハウス前広場周辺などに住民らが訪れる。町は「隠れた桜の名所のシンボルツリーとして大事に保存していく」と話している。

 【写説】移植される大島桜の大木(左後方は東河エコクリーンセンターの煙突)=東伊豆町稲取の町クロスカントリーコース