災害対策本部のスクリーンに映る災害情報に目をやる福井市長(中央)ら=下田市敷根の市民体育センター

 ■県内初 市職員ら100人 

 下田市敷根の市民スポーツセンターで28日、会員制交流サイト(SNS)や人工知能(AI)を活用した防災訓練が行われた。市職員、自主防災会、事業所、一般市民など約100人が参加し、災害対策本部側と情報投稿側に分かれ、防災・減災の実証訓練に取り組んだ。

 下田市、IT関係のアビームコンサルティング、LINEの共催。国立研究開発法人情報通信研究機構が開発したシステムを利用した。県内の自治体では初めての取り組み。

 大規模風水害や土砂災害を想定し、被害情報や被災者に関する情報をスマートフォンからSNS(LINEまたは災害掲示板)に投稿。その情報をAIが解析し、災害対策本部のスクリーンや端末に表示し、対応策を探った。

 例えば「蓮台寺で何軒か建物が倒壊し、生き埋めになっている」「大雨で稲生沢保育園手前の道路が冠水し、通行できない」など、どこで何が起きているか、どういう状態かを具体的に投稿。その情報をエリア(地区)、カテゴリー(性質)、時系列、地図の4つの要約パターンで検索した。

 訓練後、シンポジウムを開き、訓練の感想や課題など意見交換した。参加者からは「情報が集約され、大変効率的」といった評価の一方、「アカウントやパスワードなど入力作業が面倒」「たくさんの情報に優先順位を付け、どう対応していくのか、ルールづくりが必要」などの課題が指摘された。

 福井祐輔市長は「何が起きているのか総体的に把握するには大変有効。ただ、重大な災害現場にSNSを使える人が実際に居合わせるのか疑問があり、行政はその前に避難させるのが最大の使命」と意見を述べた。

 【写説】災害対策本部のスクリーンに映る災害情報に目をやる福井市長(中央)ら=下田市敷根の市民体育センター