常連客に囲まれ最終日の厨房に立つ渡辺さん(左)=南伊豆町下賀茂

 ■常連客、夜遅くまで名残惜しむ

 南伊豆町下賀茂で40年間にわたり営業した「やきとり泰平」が5月31日、閉店した。最終日の夜は常連客が詰め掛け、おかみの渡辺範子さん(75)に花を贈り夜遅くまで酒を飲んで名残を惜しんだ。

 泰平は1979(昭和54)年、下賀茂商店街に開店した。当時は温泉街として栄えた酒場が立ち並んでいたという。渡辺さんはいつも着物姿で店に立ち、地元や観光の客を迎えてきた。節目を迎え家族の勧めもあり閉店を決めた。

 31日はなじみの顔ぶれがそろい渡辺さんにコチョウランや花束を贈った。店が閉まったのは午後10時で、最後まで残った客は「ママを胴上げしよう」「ハグしていこうよ」と口々に話し、迎えの車が来てもしばらく帰ろうとしなかった。

 渡辺さんは「支えてもらいやってこられた」と常連客に感謝し、今後はひ孫の世話に専念するという。

 【写説】常連客に囲まれ最終日の厨房に立つ渡辺さん(左)=南伊豆町下賀茂