「温泉いのしし」の精肉を使ったメインディッシュを手にする福本さん=清水町のソレイアード

 ■「温泉いのしし」PR 泉「山の恵」

 熱海市泉の野生動物解体処理施設「山の恵」は、施設で処理したイノシシ肉を「温泉いのしし」と銘打って売り出している。精肉の卸先も市内外の飲食店や旅館へと広げる中、さきごろ地元飲食店とともに初のジビエ(野生鳥獣肉)イベントを開き、好評を集めた。同施設代表の錦織悦子さん(47)も料理を堪能し「この滋味深い肉をもっと広めていきたい」と意気込みを語った。

 施設は10月に稼働した。その後、販路拡大などに関して市チャレンジ応援センター「A―biz(エービズ)」に相談し、熱海らしい名前を付けてのブランド化やイベントの提案を受けた。イベントは、清水町のカフェビストロ「ソレイアード」と共同で開いた。同施設が卸した温泉いのししの精肉を、同店のオーナーシェフ・福本久喜さん(56)が1週間熟成させた上でローストし、黒こしょうのソースを添えてディナーコースのメインディッシュに仕上げた。アミューズ(軽いつまみ)にイノシシ肉のハム、ジビエ料理に合うワインなども提供した。

 コースを堪能した来店者からは「イノシシ肉なのに臭みを感じない」「味わい深い」といった声が聞かれた。福本さんは「ジビエはフレンチの食材としてオーソドックス。次はシカ肉料理を提供したい。山の恵とのコラボも進めて熱海らしい、熱海だからこそのフレンチを提供していけたらいい」と語った。

 錦織さんも客の反応に手応えを感じた様子で「この時期はイノシシ肉に脂が乗る。一般への小売りの許可も受けたので、精肉の販路を広げながら“温泉いのしし”をアピールしていきたい」と話した。

 【写説】「温泉いのしし」の精肉を使ったメインディッシュを手にする福本さん=熱海市清水町のソレイアード