■県支援事業で意見交換

 県は11日夜、2018年度第1回熱海伊東地域医療構想調整会議を県熱海総合庁舎で開いた。熱海、伊東両市の医師会、歯科医師会、病院、介護サービス提供事業者団体などの代表者、県と両市の担当者約30人が出席。地域包括ケアシステム推進の一助として、ベッド数19以下の有床診療所を財政支援する県の在宅医療後方支援体制整備事業について意見交換した。委員からはマンパワーが不足する有床診療所の現状を踏まえた異論が相次ぎ、有効性に疑問を投げかける格好となった。

 同事業は団塊の世代が後期高齢者となる25年に向け、高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らすことができる「ときどき入院、ほぼ在宅」を実現する地域包括ケアシステム推進の一環。かかりつけ医と入院機能をあわせ持つ有床診療所のうち、非稼働病床がある診療所を対象に医師や看護師の新規雇用の人件費を県が補助し、入院患者の在宅への円滑な移行と急変時の受け入れ、終末期医療の提供、家族支援のレスパイト(一時休息)受け入れの体制強化を図る。

 会議では伊東市医師会の山本佳洋会長、熱海市医師会の鈴木卓会長ら医療、福祉の関係者から「人手不足で非稼働の病床を稼働しろというのは無理がある」「ニーズは高いが、現実的に受け入れられるのか」「慢性期病院でも対応できるのでは」などの意見が相次いだ。さらには「25年は首都圏の問題。当地域はそれ以上の高齢化が進んでおり、地域の事情に合った対策を」「地域にまとまった予算を与えてもらった方が良い」などの声も上がった。

 県によると、同地域の有床診療所は熱海市2施設32床、伊東市9施設134床の計11施設166床で、うち33床が現在非稼働病床。県は近く有床診療所の関係者を集めた会合で事業を説明し、県内各医療圏での合意形成を経て10月から補助を開始したいとしている。