成人男子が勇壮に引き回す両宮丸。担い手不足から一旦昨年は週末開催となった例大祭だが、今年は本来の20日の本祭で巡行される=網代(昨年7月23日撮影)

 ■19、20日、本来の日程に戻し開催

 担い手確保のため昨年の祭典を週末に開催した熱海市網代の阿治古神社例大祭が今年は、本来の例大祭日である19日の宵宮祭、20日の本祭日程に戻して行われる。最大の呼びもので、人手不足から見送っていた御神船「両宮丸」の国道135号巡行も3年ぶりに再開。伝統を重んじ、地域一丸となって祭典の再興を図ることになった。

 漁師町風情を今に伝える同例大祭は400年続くとされる網代の伝統行事。だが、市内でも顕著な人口減少と少子高齢化に伴う若年層の減少、サラリーマン世帯の増加から、平日開催の年には成人男子が最低60人必要とされる両宮丸の巡行などに難儀する状況が続いている。

 事態打開に向けて同神社護持会、祭典実行委員会は昨年、担い手確保を目指して祭典期日を例大祭に近い週末に変更して開催した。結果は期待した人員確保とならず、住民の間にくすぶっていた伝統を曲げることへの抵抗、批判の声が噴出。かんかんがくがくの議論の末に今年は、本来の例大祭日に戻すことに落ち着いたという。

 さらに、人手不足で円滑な通行ができないとして、2015年を最後に見送っていた両宮丸の国道の一部区間の巡行も、沿線住民の強い要望を受けて再開することを決めた。

 実行委によると、昨年に引き続き中央大学の学生20人、県立熱海高の生徒9人の有志が“助っ人”として参加することが決定。追い風を受けての祭典の仕切り直しと再興に関係者の意気込みは相当で、杉野広太郎委員長は「原点に戻って新たなスタートを切る。住民が一丸となって祭りを守り、盛り上げていく決意だ」と話した。

 ■道具手に持ち仕上げ 網代小6年「浦安の舞」奉納の4人

 熱海市網代の阿治古神社で19、20日に行われる例大祭に向けて、「浦安の舞」を奉納する女子児童の稽古が佳境に入った。

 舞姫はいずれも市立網代小6年の菊間夕夏さん、中村友花子さん、飯島彩乃さん、朏(みかづき)百葉さんの4人。6月上旬に始まった稽古は禰宜(ねぎ)の安田典子さん(41)の指導で、同神社社務所で週1回みっちり2時間行っている。

 本番を10日後に控えて稽古は最終段階に入った。現在は扇子や鈴などの道具を手に持ち、音楽に合わせて手足の動きや動線、視線を確認しながら仕上げの稽古に励んでいる。

 菊間さんは「初めての経験で、4人がタイミングを合わせるのが難しい。本番までに完璧に仕上げ、思い出になるような舞を披露したい」と話した。安田さんは「子どもたち自身が楽しんで舞ってくれたらいい」と言って熱心に取り組む4人に目を細めた。

 【写説】成人男子が勇壮に引き回す両宮丸。担い手不足から一旦昨年は週末開催となった例大祭だが、今年は本来の20日の本祭で巡行される=熱海市網代(昨年7月23日撮影)

 【写説】道具を手に舞の稽古に励む網代小6年の女子児童4人=熱海市網代の阿治古神社