訓練で通訳者とつながった携帯端末を介して傷病者と意思疎通を図る救急隊員=市消防本部

 ■3者同時通話で救急処置 

 熱海市消防本部は29日、本年度導入し6月1日から運用を開始する「多言語通訳システム」の運用訓練を行った。熱海国際交流協会の協力を得て外国人傷病者と電話通訳センター、同本部の3者間同時通訳で通信指令と救急現場対応に取り組み、運用方法を再確認した。

 民間の電話通訳センターを介して外国人の119番通報者と指令員、通訳者の3者間同時通話を可能にするシステム。既存設備に機能を付加した同市のシステムは英語、中国語、韓国語、フランス語、ドイツ語、スペイン語など訪日外国人をおおむねカバーする17カ国語に対応している。

 本部で行われた訓練には通信指令室、消防署救急隊などから25人が参加。同協会員で中国出身の賈志宏さん(55)=桜町=が患者・通報者役で協力し、中国語での119番通報から同センター通訳者を交えた通報者の現在地や傷病程度の確認、救急車・消防車の出動といった通信指令業務、現場対応などを実践的に行った。

 救急現場対応の訓練では、時間差のない3者同時通訳の効果は大きく、隊員は通訳された言葉を頼りにスムーズに救急処置を行った。協力した賈さんは「日本語の分からない外国人にとって言葉が通じるのは安心」と感想を語った。

 【写説】訓練で通訳者とつながった携帯端末を介して傷病者と意思疎通を図る救急隊員=熱海市消防本部