各文学賞の贈呈式での写真などが並ぶ杉本さんの没後2周年企画展=熱海市の起雲閣

 ■愛用品や写真、原稿

 熱海市の名誉市民で文化勲章受章の作家杉本苑子さん(1925~2017年)の没後2周年企画展「杉本先生に会いたい…」が命日の31日、起雲閣の和室「鶯(うぐいす)」で始まった。市内外からの来館者が愛用品や写真、原稿などを間近で見学し、杉本さんをしのんでいる。

 市教育委員会が昨年に続いて企画した。杉本さんが愛用した眼鏡、腕時計、日本史年表に加え、原稿の複写、アルバムから選んだ学生時代のスナップ、1977年の吉川英治文学賞や86年の女流文学賞の贈呈式などの写真パネルを展示した。

 原稿に目を留めて「読みやすい文字」と感心する女性もいた。都内から同級生仲間と訪れた山下幸子さん(64)は「命日だと知り、縁を感じた。杉本さんの本も読んでみたい」と話した。

 杉本さんは東京都出身。週刊誌の懸賞小説入選を機に作家吉川英治氏に師事、63年に「孤愁の岸」で直木賞を受賞した。77年に熱海に別荘を構え、3年後に移住。亡くなるまで暮らした。市は杉本さんの遺志に基づき、自宅を活用して「熱海文学館」を開設する計画で、設立準備委員会を7月に立ち上げ、整備や運営を検討していく。

 企画展は6月2日まで。時間は午前10時~午後4時。

 【写説】各文学賞の贈呈式での写真などが並ぶ杉本さんの没後2周年企画展=熱海市の起雲閣