20年ほど前、熱海市内で部屋探しをした。街中で手頃な単身向けのアパートを希望したのだが、家賃が安い物件は老朽化が著しく、部屋を見つけるのに苦労した。この数年、熱海勤務となった後輩たちの部屋探しを手伝ったが、状況はあまり変わっていないように感じていた

 ▼「今、足りないのが住環境。若い人が住みたくなるような住環境の整備が必要」。先日、熱海リノベーションまちづくり構想検討委員会が開いた公開型会議で、委員の一人から上がった声に大きくうなずいた

 ▼老舗旅館の役員でもあるこの委員は、社員の住居の確保に苦労している現状に触れ、安くて、きれいで、気持ちよく住める場所の整備が熱海の競争力を高めることにつながる―と指摘した

 ▼近年、市内でマンション建設が相次ぐが、リゾート向けが多く、若者が気軽に借りることのできる物件は、依然として少ない。その中で、市のリノベーションスクール受講後、既存の物件を活用した独身向けのシェアハウスの開設を目指す女性もいる

 ▼市が掲げる「住まうまち熱海づくり」には住環境の整備は欠かせない。遊休不動産の掘り起こしや情報収集・発信など、官民連携による取り組みが進むことを期待したい。