今年、春を告げる河津桜は史上まれに見る早い開花だった。ところが、その後の寒さと悪天候でソメイヨシノはなかなか開かず、伊豆各地で見頃となったのは先週から。今週ようやく満開を迎えるところもある

 ▼本紙連載「ただいま雑記」417回(12日付)で作家・中山千夏さんが、この季節の“はっきりしない天候”を「はなぐもり」と表現した日本語の素晴らしさを称賛した。「たったいつつの音で、サクラの開花時に特有の、薄日に光る不安定な白っぽい空、ゆるい湿った空気を表している。白い空を背景にしたサクラの花々まで見えてくる」

 ▼他にも「花冷え」「春寒」などたくさんの言葉があるが、桜が咲く季節の出会いや別れなど、悲喜こもごもの心模様が多彩な表現を生んだのだろう。歌も同様で、題名に「桜」が付く曲だけでも無数にある

 ▼折しも伊豆の国市と西伊豆町で首長・議員のダブル選が展開されている。両市町とも合併から12年。町づくりが成熟期に差し掛かる頃で、首長選に伊豆の国市は現職含む3人、西伊豆町は同じく2人が名乗りを挙げ、しのぎを削っている

 ▼ともに投開票は16日で、当日の予報は「曇り」。遅れていた桜はどの候補の上で満開を迎えるのだろうか。