経済誌「フォーブス・ジャパン」副編集長の谷本有香さんが、ある高級ホテルで体験した至高のホスピタリティー(もてなし)をコラムに書いていた

 ▼ホテル内のイベント会場に向かう途中、ほほ笑みながら近づいてきた女性従業員が差し出した紙袋。中身は谷本さんがはいているものと同色のストッキング。ほんのわずかな伝線に気付いた従業員の気遣いに谷本さんは「さすが」とそのホテルのホスピタリティーに感心したという

 ▼旅館やホテルに仕事で訪ね、バックヤードや従業員用のエレベーター、通路を利用することがある。表では決して見せない態度や言葉に遭遇すると、緊張感がほぐれる一方で「一流」「老舗」のブランドがやや色あせて見えてしまうことも事実

 ▼料金とサービスの質は比例するのは当然だが、おもてなしとなると、必ずしもお金の価値に置き換えることはできない。その人の性格もあるし、企業の姿勢と人材育成の在りようも関係してくる

 ▼東京五輪誘致活動を機に盛んに叫ばれるようになった「おもてなし」。伊豆地区でも観光関係者の常套句[じょうとうく]になっている。料金の対価としてあるおもてなしではなく、人を思いやる心、サービスに磨きをかける取り組みに期待したい。