道路の通行止めやチェーン規制など、温暖な伊豆でも混乱を招いた22日の積雪は、いまだに山間部では解け切らず、氷塊のごとく道路の端や日当たりの良くない歩道に残っている

 ▼今週の日曜日、所々に見える“白さ”が気になり、伊東市の一碧湖を散策した。トイレの前に車を止めて横断歩道を渡り、遊歩道を与謝野鉄幹・晶子の歌碑のある方向へ進んだ

 ▼しばらくして、氷に覆われた下りの傾斜のあるコンクリートの道が現れた。どう見ても滑りそうで、轍[わだち]ならぬ、人が通ってへこんでいる上をおそるおそる歩いて、何とか通過した

 ▼犬を連れた年配の女性が前を歩いていて、すれ違う人に「この先、凍っているから気を付けて」と声掛けをしていた。2人組の女性らは礼を言い、坂の前で一度立ち止まった後、滑らないよう警戒しながら上っていった

 ▼心で思っていても、声を掛けることは簡単なようでいて意外に難しい。女性は自分が覚えた危険を素直に伝えていた。優しさ、相手を思いやる気持ちが見て取れた。振り込め詐欺をはじめ、人間不信に陥りそうなニュースが多い昨今、伊豆人の優しさの中に、すがすがしさを感じた。“ちょっといい出来事”に出会ったハッピーサンデーだった。