何十年も伊豆に住んでいて、3年ほど前まではイノシシやシカに出くわすことはなかった。車を運転中、目の前に数頭のシカが飛び出してきた。衝突は避けられたが、道路脇の林は動物たちの生活の場であることを実感した

 ▼人間が危害を受けることはまれだ。しかし、畑や森林の所有者で鳥獣被害に悩まされている人は多い。2016年の県内被害額は農産物、林産物合わせて約4億1千万円だった。それでもピークだった09年の約6割という

 ▼被害を減らそうと、各地で対策が行われている。下田市須崎では、有志がわなによる駆除を行い被害を減少させ、住民の農作物を育てる意欲を取り戻させた。無駄なく命を頂き、狩猟者にも利益が出るよう、食肉として利用する取り組みも行われている

 ▼人口減少と高齢化が進むと、より人の手をかけられなくなる。賀茂地区では効率的な有害鳥獣対策として情報通信技術(ICT)を使った囲いわなが設置され、成果を上げている。日本経済新聞には先日、大手警備会社がドローンを使ってシカを追い払う実験を4月から始めるというニュースが掲載されていた

 ▼いろいろな試みが実を結び、鳥獣被害を理由に耕作を断念する人がいなくなってほしい。