下田市須崎のバス停近くに「民宿発祥の地」の石碑が建つ。石碑には「昭和36年伊豆急行が開通し須崎ではそれに合わせて民宿を立ち上げた。伊豆の民宿は、ここから始まった」とある

 ▼その須崎民宿組合が教育旅行の受け入れを今シーズン限りで中止する。最盛期に90軒近くあった民宿は現在13軒まで減少。荷物の運び入れや体験メニューの準備など、高齢化した経営者には負担が大きかった

 ▼伊豆急開通後、奥伊豆に観光客が殺到。秘境ブームを背景に、民宿は雨後のたけのこのように増え、最盛期の昭和50年代には賀茂地区全体で1500軒近くに達した。バブル崩壊後、減少の一途をたどり、教育旅行に希望をつないできた

 ▼他地区でも須崎同様の事情を抱え、教育旅行の運営は年々厳しさを増している。民宿は今後、生き残れるのだろうか。やる気の有無で淘汰[とうた]は避けられないが、何か一つでもセールスポイントを持つことが必要とされる

 ▼都会では味わえない料理自慢の民宿、ペットOK民宿、バリアフリー民宿…。特に急増する外国人は格好のターゲット。廉価で宿泊し、人々との触れ合いや地域の文化や自然体験など、民宿には外国人が求める魅力がある。諦めてはいけない。