仕事柄、毎日さまざまな地名に接する。伊豆にある地名はたいがい読めるようになったが「地元以外の人には難読だろう」と感じる地名も多い

 ▼「熱」は「ねつ」か「あつ」が普通なので、有名な熱海はともかく、東伊豆町「熱川[あたがわ]」は難読という。沼津市「戸田[へだ]」は「とだ」と読む人が後を絶たない。熱海市「網代[あじろ]」、伊東市「富戸[ふと]」「十足[とおたり]」、伊豆の国市「墹之上[ままのうえ]」、伊豆市「土肥[とい]」なども知らなければ読めない

 ▼専門家によると、漢字伝来前からあった古い地名は、その音に漢字が当てられた。逆に比較的新しい難読地名は、漢字が先にあり、長い歳月で読み方が“なまった”ものもあるという。その“法則”によると、下田市「田牛[とうじ]」、伊豆市「八幡[はつま]」、南伊豆町「日野[ひんの]」などは、漢字が先にあったのか、それとも読みが先にあったのだろうか…

 ▼各地の字名にある「和泉[いずみ]」は、なぜ読まない「和」が付くのか。先日、テレビ番組で長年抱いていた謎が解けた。大化の改新(646年)後の律令体制で、中国に倣って地名は漢字2文字で表現するようになり、元の地名「泉」の読みはそのままで「和」を付けたためという

 ▼地名の成立には意外な過程があり、壮大な歴史を秘めていることもある。興味は尽きない。