国道135号を南下し、河津町から下田市に入ると、白浜海岸や須崎半島など美しい景色が目に飛び込んでくる。最近、ここを走り「展望が広がった」と感じている人は少なくないだろう

 ▼もともと「尾ケ崎ウイング」と呼ばれる休憩所は展望が良かったが、その先は樹木に覆われ、景観を阻害していた。そこで市が延長280メートルの国道下斜面4千平方メートルの樹木を伐採・剪定[せんてい]した

 ▼大海原を行き交う船舶や伊豆七島を一望し、バックミラーに映る県外車両のカップルは指を差したり、身を乗り出したり、感動している様子がうかがえる。観光資源掘り起こしの好例といえる

 ▼ところが、市街地には朽ちた廃業ホテルが点在する。美しい景色にワクワク感を盛り上げていた観光客に一転、失望感を与えていないだろうかと危惧する。下田に限らず、伊豆には何十年も放置された廃業ホテルが目につく

 ▼財産権の壁があり、行政の介入が難しかったが、4年前に空き家対策特別措置法が施行され、所有者に解体や修繕を命令でき、代執行も可能となった。伊豆は美しい景色や景観が売り物。世界ジオパークや東京五輪を機に、世界的なリゾートを目指す上でも、そろそろ本腰を入れて取り組みたい。