「期待に応えられるよう稽古に励み、一番一番、頑張っていきたい」−。6年前、たくましい体つきと、勇ましいながらも柔和な顔で抱負を語った姿が思い出される。

 三島市出身の元十両栃飛龍=春日野部屋=が、夏場所をもって引退した。2013年当時、十両昇進を決めた郷土力士の活躍に市内は沸き、大勢で「祝う会」を盛大に開いた。筆者はまだ駆け出しで、テレビやスポーツ紙の記者らに交じって、慣れない質問に冷や汗を流した記憶がある。

 引退を受け、毎年わんぱく相撲三島場所を主催する関係者は「首の骨折を乗り越え、よくぞここまで」と感慨深げだった。温厚な表情に秘めた不屈の精神力は、市民や子どもたちに大きな力を与えたに違いない。(藤)