「ろくべえまってろよ」を手にする大塚さん

 動物好きの私のお薦めは「ろくべえまってろよ」(灰谷健次郎・作、長新太・絵、文研出版)です。犬のろくべえが深い穴に落ちている、早く助けないと…。どうしよう。5人の子どもたちの救出大作戦は、子どもたちの個性が出るものの犬も人間も区別なく大事に思う優しさと精いっぱいのけなげな行動に対し助けてやろうと思わなかった大人たちの姿は、困っている人を助けようとしない不人情な世の中が表れています。大人も及ばないような子どもらしい発想で救出、成功します。2ページにわたり縦に書かれた絵は穴の深さを感じさせ、全体的に暗い絵が続きますが、最後のページは救出したクッキーとされたろくべえを抱いた子どもたちの明るい絵が印象的でした。子どもたちの笑顔は優しさと命の尊さを教えられる一冊です。

 伊東市・紙風船 大塚きゑ子

 【写説】「ろくべえまってろよ」を手にする大塚さん