躰道を50年以上にわたり子どもたちに教えてきた。若い頃はただ試合に勝つことだけを考えて指導していた。大会に出場し、1回戦で負けたときは「なぜ負けたんだ」と怒鳴ることもあった。

 あるとき、教室に通う生徒の一人が問題を起こした。その時に勝ち負けより大切なことは「心」だと気付いた。それ以降、技や勝敗以上に心を育てる人間形成が最も大切であると考えている。

 子どもたちも時代とともに変わっていく。ただ厳しく指導するだけではなく、冬はゲーム感覚で基礎体力作りを取り入れている。躰道を厳しい武道というだけでなく、楽しんでほしいと常々考えている。元気で活発に、厳しいながらも楽しい教室を目指している。

 楽しむということは勝負を度外視している訳ではない。試合に出たい、勝ちたいという子どもには厳しく指導することもある。子どもたちの心、精神を育てるということは同時に指導者も成長していく必要がある。