道の駅「までい館」前に設置された重岡さんの作品「までい賛歌」(左)と「までいと共に」=福島県飯舘村

 ■重岡さん制作ブロンズ2点 11日に除幕式「元気づけたい」

 伊東市の彫刻家重岡建治さんの作品が、東日本大震災に伴う東京電力福島第1原発事故で全村避難を余儀なくされ、今年3月に避難指示が解除されたばかりの福島県飯舘村の道の駅「までい館」前に設置された。「までい賛歌」「までいと共に」と名付けられたブロンズ製のモニュメント2点で、重岡さんは「村の復興を願いながら制作した。無事に設置が完了し、ほっとした」と語った。除幕式は11日に行われる。

 重岡さんと同村の出会いは2年前の夏のことだった。家族や親子の絆をテーマにした重岡さんの作品が復興への願いと重なった菅野典雄村長が、制作を依頼した。第1弾として昨年8月、同村交流館「ふれ愛館」前に「までいの心」と名付けられたモニュメントが設置された。

 「までい」は「ゆっくり」「丁寧に」などを意味するこの地方の方言で、村の復興の基本理念になっている。この言葉を気に入った重岡さんが、一連の作品のタイトルに使った。

 「までい賛歌」は見つめ合って立つ男女、「までいと共に」はベンチに腰掛けた女性がモチーフ。「賛歌」は高さ5・5メートルの大作で、夜になると明かりが点灯して2人を優しく照らし出す。「共に」は高さ2メートル・幅1・8メートルで、女性の横のベンチに座ることができる。

 重岡さんは「避難指示が解除されたといっても、住民はほとんど帰ってこられない。それでも夏になると、墓参りにやって来る。その時に合わせて作品を設置できてよかった。村の人たちを元気づけることができればうれしい」と話した。大震災発生前6500人だった同村の人口は、今年7月1日現在437人となっている。

 【写説】道の駅「までい館」前に設置された重岡さんの作品「までい賛歌」(左)と「までいと共に」=福島県飯舘村