体験談をつづった著書を手にするシャムレッフェル・レックスさん=伊東市岡のRCS

 ■末期で「余命半年」 「自然治癒力」信じ食事、運動 伊東にホテル、著書も出版 「体験伝えたい」

 伊東市岡、小川会館近くでホテル「リフレッシュ・ケア・スパ」(RCS)を営むシャムレッフェル・レックスさん(67)は、ステージ4の末期がんで余命半年と診断された。だが諦めることなくがんと向き合い、抗がん剤治療を行いながら食事、運動など「がんに良い」とされるさまざまな療法を取り入れ、がんと闘い続ける。そのかいあってか、3月で「余命宣告」を受けてから8年を迎える。レックスさんは「何が良いのか正直分からない。相乗効果ではないか」と穏やかに話す。

 米国籍のレックスさんががんと診断されたのは2011年3月。初めて受けた人間ドックで見つかった。メインは腎臓にある大きさ7・5センチで、肝臓や腰など26カ所に転移していた。医師の見立ては何もしなければ余命半年、抗がん剤を使って1年、最長でも2年だった。当時は埼玉県内で英語関係の会社などを経営、忙しい日々を送っていた。「自覚症状は全くなかった」(レックスさん)という。妻の公子さん(59)は「子どもが成人前で驚きしかなかった。何も考えることができなかった」とつらかった当時を振り返る。

 レックスさんも診断に落ち込んだものの、息子からの励ましを受け、気持ちを切り替えてインターネットや友人からがん治療に関する情報を集めた。「体には自然治癒力がある。医師任せではなく、自分で自分の体にできることを何でもやってみよう」と決め、野菜を中心とした薬膳、精進料理や糖質制限の食事、サプリメント、機械、温泉療法などを実践した。

 結果、がん細胞は残っているものの、余命とされた期間を過ぎた今も生活を続けている。「なぜ生きているのか知りたい」「生き方を紹介してほしい」など、レックスさんのもとにがん患者や家族の声が届くようになる。自らの養生に加え、こうした声に応える形で13年9月、自身の体験をがんで悩む人に伝える場として、公子さんと「RCS」をオープンさせた。関東に近く、夏は涼しく、冬は暖かい。施設は元保養所で源泉があることも魅力だった。

 開館から4、5年の間に、100人を超すがん患者が訪れた。レックスさんによると、ほとんどが末期がんだったという。現在は「健康」のためのホテルとして、がん患者以外の宿泊客も受け入れる。健康食を出す「健康宿泊」(1泊2日2食付き、1万6800円)6泊7日・18食が基本の「体質改善宿泊」(22万8千円)などのプランがある。体験談をつづった著書「医師が知らない余命を延ばすがん養生生活」(三交社)も出版、全10室の客室に置いてある。

 レックスさんは「余命を告げられても生き延びている人がいる。自分で何ができるかを考えてほしい」とがん患者に問い掛ける。

 問い合わせは「RCS」〈電0557(35)9218〉へ。

 【写説】体験談をつづった著書を手にするシャムレッフェル・レックスさん=伊東市岡のRCS