事件の経緯について説明する鈴木校長(右)=伊豆の国市のあやめ会館

 ■市教委「いじめ、否定できない」

 伊豆の国市委員会は30日夕、市立韮山中3年の男子生徒(14)が、同学年の男子生徒(14)から暴力を受け重傷を負ったと発表した。生徒は膵臓(すいぞう)断裂との診断を受け、市内の病院で現在も治療を受けている。市教委は「いじめであった可能性を否定せず、必要ならば迅速に第三者委員会を立ち上げ真相究明に尽力していきたい」と話した。

 22日午後1時ごろ、3年生の教室で加害生徒が被害生徒の発言に激高し、投げ飛ばしてかかと落としで腹部を踏みつけた。加害生徒が他の生徒から「(被害生徒が)お前のことを大仏と言っている」との話を聞き、被害生徒に確認しに行ったのが発端という。

 2人は別々のクラスで出身小学校も違い、中学1、2年時も同じクラスになったことはなかった。加害生徒は体格が大きく、武術を習っていたという。

 昼休みの出来事で、騒ぎに気付いた教諭が駆け付け、被害生徒を保健室に連れて行った。被害生徒は2時間ほど休み、部活動に参加し、徒歩で下校。その後、電話で生徒指導主事が被害生徒の保護者に加害生徒から聴き取った内容を説明した。被害生徒はその夜、腹部にひどい痛みを訴え市内の病院に運ばれ、緊急手術を受けた。

 診断書では、自宅復帰まで2カ月を要し、10年以上の通院が必要という。病院は大仁署に連絡。同署は状況を知る生徒から聴き取りをし、加害生徒が立ち会う中、現場を調べた。回復を待って被害生徒らに事情を聞く方針。現段階で、被害届は出ていない。

 鈴木二三哉校長は「教員はできるだけ学年の教室や廊下に残り、生徒が危険な行為に及ばないように見ていきたい。道徳の時間、学級活動などでは、人の命の尊さなどを解いていく。校内の事件事故について家庭に丁寧に説明することに努めていきたい」と話した。

 ■内山教育長「学校で事件、痛恨の極み」

 内山隆昭教育長は被害生徒、保護者に謝罪し「安全であるべき学校内で重大なけがにつながる暴力事件が起きてしまったことは痛恨の極み。生徒の一刻も早い回復を祈っている。まずは、生徒とその保護者に寄り添った協力や支援に最大限努めたい」と話した。

 市教委では、児童生徒のけがや事故発生時の校内対応マニュアルの再確認と研修を実施する。学校組織の危機管理意識の醸成と体制の再確認をし、再発防止に努めていく。市教委は「2度と今回のようなことが起きないよう努めていく」と話した。

 【写説】事件の経緯について説明する鈴木校長(右)=伊豆の国市のあやめ会館