昭和10年頃の貴重な写真を収めた「ふるさとの記憶」

 ■当時の暮らし、仕事「湯川屋」や井上靖も

 伊豆市の湯ケ島地区地域づくり協議会(安藤保夫会長)はこのほど、冊子「ふるさとの記憶―昭和10年頃の写真集」を発行した。当時の人々の暮らしや仕事、子どもたちの様子などが分かる貴重な写真を紹介している。

 湯ケ島(宿)の元ワサビ生産者で資産家だった鈴木家の蔵に、約2千点のガラス乾板やフィルムが保管されていたことがきっかけ。3年前に同家から相談を受けた前会長の安藤裕夫さん、役員でNPO法人伊豆学研究会理事長の橋本敬之さんが、スキャナーでデジタルデータにして保存しながら、活用の道を探ることにした。作業を進める中で、興味深い写真が次々と見つかったことから「多くの人に見てもらいたい」と出版を決めた。

 A4判、全72ページの冊子には約200点の写真を掲載した。「湯ケ島の風景」「持越鉱山と小学校」「日常生活」「仕事」「わさび栽培」「湯ケ島小学校」「戦争と人々」などの項目に分けて紹介している。

 同地区と関わりが深い作家・井上靖や家族の写真も掲載。「湯川屋に残された記録」として、旅館湯川屋(現在は休業)に所蔵されている写真も載せた。同協議会は「過疎化が進む中、地域を離れている人たちにも見てもらい、古里を思い起こしてほしい」と話す。

 伊豆の国市の「いちごすてーしょん」で、税込み2千円で扱っている。湯ケ島地区の人たちには特別価格で販売する。問い合わせは同すてーしょん〈電0558(76)5088〉へ。

 【写説】昭和10年頃の貴重な写真を収めた「ふるさとの記憶」