作家橋本英吉の生誕120年で制作した記念誌=三島市立図書館

 ■三島・田方の中・高などに寄贈 狩野川台風扱った作品も

 伊豆の国市で亡くなった作家橋本英吉の文学を顕彰する会(小沢高好会長)が生誕120年記念誌を制作した。小沢会長は「多くの人に橋本英吉という作家が伊豆に住んでいたことを伝えたい」と話す。記念誌は三島・田方地区の中・高校や図書館などに寄贈するという。

 橋本(本名・白石亀吉)は1898年11月1日、福岡県吉冨村に生まれた。1922年に上京し作家横光利一、川端康成と親交を深めた。戦前のプロレタリア文学から農民文学、歴史文学を執筆。伊豆地区との関わりは32年に妻の実家の函南町(当時村)に移り住み、一時上京後の45年に伊豆の国市(当時大仁町守木)に転居した。その後も上京し55年に戻り78年4月20日に亡くなった。

 記念誌「橋本英吉その作品と時代」はB5判41ページで100部制作した。静岡に関係する作品の一部、昭和文壇とのこぼれ話、年譜、橋本の「終戦日記」、遺族や研究者による橋本の人柄や足跡などを載せた。主な著作は「富士山頂」「炭坑」「欅(けやき)の芽立」など。富士山頂は46年に執筆し2年後に映画化された。狩野川台風の実体験を扱った作品も執筆している。

 孫の主婦吉川七苗さん(59)=伊豆の国市=は「文筆活動しながら家事をしていた寡黙な人だった」と振り返った。

 【写説】作家橋本英吉の生誕120年で制作した記念誌=三島市立図書館