同窓生の前で満州からの引き揚げ体験などを語る西郷さん(右)=伊豆の国市古奈

 1953(昭和28)年に韮山村立韮山中(現伊豆の国市立韮山中)卒の同窓会は、戦争や狩野川台風など自分たちの体験を語る「トーク会」を開いている。小学2年生のときに終戦を迎え、戦中、戦後と激動の時代を過ごしてきた人たち。4回目がこのほど市内で行われ、海外から引き揚げてきた3人が当時を振り返った。

 そのうちの1人、西郷剛志さんは両親やきょうだいと満州で暮らしていたという。戦争が始まると父親は召集され、母親は逃げる途中で栄養失調で亡くなった。兄弟と共に新京(しんきょう)にたどり着いた。

 引き揚げることが決まり、住居の掃除をしていたところ、ソ連軍の捕虜となり脱走した父親と偶然再会を果たした。「父親は日本人がどこに逃げたかうわさを聞きながら新京に来た。奇跡も奇跡」などと回想した。狩野川台風も思い起こした。

 トーク会は昨年5月に開始した。発起人の1人、渡辺解太郎さん(同市)によると、東京で画廊を営んでいた同窓生の実川暢宏さんが、書籍の出版記念会で自身のいきさつを話したことがきっかけという。出席した同窓生たちが、みんなの人生を聞き書きしてはどうか−と始めた。

 今回も含めて46人の話が集まった。その中には、書いてもらったものもあるという。10月に行う同窓会でのトーク会の話もまとめ、本にしていく。

 【写説】同窓生の前で満州からの引き揚げ体験などを語る西郷さん(右)=伊豆の国市古奈